「田酒(でんしゅ)」水田から取れる米こそ酒造りの中心-青森県の酒-日本酒銘柄に日本文化の豊穣を
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「田酒(でんしゅ)」水田から取れる米こそ酒造りの中心(青森県の酒)

酒銘: 田酒(でんしゅ)
蔵元: 西田酒造店(青森県青森市)
創業: 明治11年(1877年)
田酒(でんしゅ)。いい響きだ。
水田(すいでん)は、稲の育つところ。
稲にあやかって、色々なものが田からとれる。
油がとれるところを油田(ゆでん)という。
塩がとれるところを塩田(えんでん)という。清き一票は、票田(ひょうでん)でとれる。
人間の臍(へそ)の下には、丹田があって、丹田を錬ることが人間の深みを増すことになる。
田(でん)はまた、稲田の広がる田舎(いなか)を意味する。
都を遠く離れた田家(でんか)にも、紳士はいるもので、田紳(でんしん)という。
田(でん)を日本酒の銘柄に採った蔵元の心のうちには、なによりも、水田からとれる稲をこそ酒造りの中心に置きたいという想いがあったのであろう。
戦後の米不足から、米と米麹で作ったもろみに、醸造アルコールや糖類、酸味料、調味料などを添加した三増酒(さんぞうしゅ)が大いに幅を利かせた一時期がある。
本物の日本酒がほとんど消えるかとすら想われた。
都を遠く離れた北の大地で、伝統の日本酒造りに精進する蔵元や杜氏が、本物の日本酒は米で造るものであるということを、頑ななまでに守り通し、そのこだわりを「田酒(でんしゅ)」という銘柄に表わした。
田酒(でんしゅ)と志を同じくする蔵元が日本全国に奮い立ち、ようやく日本酒本来の姿を取り戻しつるあるのは喜ばしい。
日本の伝統芸能に、田楽(でんがく)がある。
すでに平安時代に、田植えの風景として、田楽遊びの記述がある書物があり、中世には都の貴族たちの間でも大いにもてはやされた。(『栄華物語』)
田楽(でんがく)は豊穣の祈りである。
水田に祈りを捧げて、稲の生育を祈る。

一本足の高下駄を履いて田楽を踊る田楽法師たちの、一本足の下駄に姿が似ることから、こんにゃくや豆腐に味噌をつけた焼いたものを「田楽(でんがく)」と呼ぶようになった。
更に、田楽を指す女房言葉の「おでん」が、今日では焼き物に限らず、こんにゃくや豆腐に限らず、大根や揚げ、はんぺん、ちくわなどをも含む煮物をさすようになった。
おでんを肴に田酒(でんしゅ)を酌み交わす。
酒に、米に、この国の大地に、深く想いを致してきた日本人の伝統を、その銘柄に想う。
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