「鳴門鯛」 鯛は大位、鯉は高位と尊ばれ-酒銘の多様性に日本文化の豊穣を見る

「鳴門鯛」 鯛は大位、鯉は高位と尊ばれ(徳島県の日本酒)-酒銘の多様性に日本文化の豊穣を見る

トップ > 休嘉宝(日本文化は日本酒にあり) > 「鳴門鯛」 鯛は大位、鯉は高位と尊ばれ(徳島県の日本酒)

「鳴門鯛」 鯛は大位、鯉は高位と尊ばれ(徳島県の日本酒)

酒銘: 鳴門鯛(なるとたい) 
蔵元: 本家松浦酒造場(徳島県鳴門市大麻町)
創業: 文化元年(1804年)

「腐っても鯛」と言われるほど、日本人は鯛を尊ぶ。
その鯛の中でも「鳴門の鯛」は、激しい渦潮に揉まれて身が締まり、
油の乗りもよく、珍重されている。

その鯛を酒銘に用いるとは、さすがに徳島の蔵元は、よほど鳴門の渦潮を自慢したいと見える。
そんなに渦潮を自慢したいのであれば、よろしい、私も少し鳴門自慢に手を貸そう。

徳島を旧国名で阿波(あわ)の国と云う。
アワとは、ア行からワ行までの五十音を表す。

鳴門(なると)とは、アワ五十音が鳴り出す門(と)。

つまり、阿波の国、鳴門の渦潮とは、日本語五十音を囂々(ごうごう)と響かせて渦巻き起こすウミ(海、生み、産み)の潮である。

その渦潮に揉まれて育つ「鳴門鯛」こそ、日本語の言霊すなわち日本人の精神をその身に練り込まれた目出度い魚と言えよう。

鯛は、刺身、塩焼き、混ぜご飯などに調理され、その赤い色が目出度いとして祝い事には欠かせない。
取り分け、鳴門の渦潮で揉まれた鯛は、「鳴門鯛」を名乗って意気盛んである。その鯛に共鳴り起こして雄叫び挙げるのが、徳島の銘酒「鳴門鯛」である。

鳴門の鯛を誕生祝いに

出産祝いには、赤子と同じほどの大きさの鯛を祖霊に供えて誕生を祝う。

そういう祝いの席に、日本酒「鳴門鯛」を添えると、祖霊もタイソウお慶びになるであろう。呵々(かか)。

(右は、我が姪、沙良の誕生祝いの鯛。上が鯛であり、下が沙良である。念のため。)

江戸時代は、武家でも鯛が喜ばれ、「大位」と当て字をされもてはやされた。
一方、海から遠い京都では鯛が思うように手に入らなかった。そこで、宮中では公家たちが、代わりに鯉(コイ)を「高位(こうい)」と呼んで尊重した。

「大位」さんも「高位」さんも、こういう日本人に食べてもらえれば本望であろう。

ところで、「鳴門鯛」の蔵元は、なかなか面白い試みをしておられる。

天然乳酸発酵の酒母で酒を仕込んだり、純米原酒を冷たいまま霧にしてその霧を集めて「霧造り」の生酒を造り出したり。
この「霧造り製法」、世界初とか。

珍しい製法の珍しい酒銘で、いっぱいやるのもいいかも。

神道と日本語と日本文化の研究者  / 神道と日本語と日本文化のトップ

トランス研区切り線

Tag: 鳴門鯛 日本酒 徳島県 松浦酒造場 阿波 渦潮 霧造り製法 武家 公家  

powered by Quick Homepage Maker 4.81
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional

Ferretアクセス解析