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武道稽古のアップダウン構造

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【6】武道稽古のアップダウン構造

1. 正面に礼 (武道稽古のアップダウン構造

1-1. 武道や刀剣に対する日本人の特殊感覚

 私は学生時代に合気道を始め、今は神道の一環としての美剣(ミツル
ギ)体道の稽古をしております。

 日本武道と神道は車の両輪のような関係で、あざなえる縄のように合
流して一筋の道を歩んで来たように思われます。

 テレビや映画の時代劇で道場の場面が出てきた際に、注意して道場正
面をご覧下さい。
 たいてい神様を祀っています。

 よくあるのが、鹿島大明神と香取大明神の掛け軸を掲げて、その前に
白い徳利の御神酒を備えているという形です。

 また剣(ツルギ)というものに対する日本人の特殊感覚というものが
ありまして、ツルギを単なる殺傷の道具とは考えないのです。
 そこに神聖なる何かを感覚しているのです。

 事実、奈良県天理市の石上神宮のご神体は、七支刀であり、天皇の御
位(みくらい)の象徴である三種の神器の一つも、草薙(くさなぎ)の
ミツルギであります。
 草薙にわざわざ「くさなぎ」とひらがな読みをつけなければならない
時世なのですね。

 それはともかく、武道といい、刀剣というものには、なにがしかこの
世のものならぬ存在をおそれ慎むという感覚がつきまとっています。

1-2. 正面に礼!

 私が所属していたのは大阪教育大学の合気道部でした。
 稽古は大学構内の武道館や体育館で行いました。

 いかに武道館とはいえ、国立の大学施設に神棚を設けられる筈はあり
ません。
 また私も含め、合気道部の学生には、神祀りの感覚などもありません
でした。

 そんな私たちも、武道館には一礼して入り、一礼して出ていました。

 そして稽古の前後には、道場の片方に全員整列して座り、そこからも
う一方の何もない壁に向かって一礼していました。

 その際にかける号令が、

    正面に礼!

というものです。

 正面に礼。
 このなんという絶妙のあいまいさ。

 ナントカの神様に対して礼、ではないのです。
 正面という無色透明なるものに礼を捧げるのです。

1-3. 武道稽古のアップダウン意識と床の間

 武道修行というものが、単なる肉体界における我と彼との間のショー
トカット的修行であるとは思わないのが日本人なのです。

 正面という、まことに曖昧な言葉ではありますが、アップダウン構造
の奥に意識を向けて、その上での武道修行を行うのです。

 野外で演武を行う際にも、勿論、正面に礼をして、その後演武者同志
が互いに礼を交わして演武を行うのです。

 正面に礼をして、その後、指導者と学生が礼を交わすのですが、指導
者の中にはキリスト教の神父さんもおられました。
 キリスト教だって、仏教だって、日本人に変わりはありません。

 その神父さん(日本人)も、この日本的礼法には何の違和感も感じて
おられなかったようです。

 この武道稽古のアップダウン意識というものは、実は日本の家作りに
も反映されていると思われます。つまり、床の間がそれです。

 床の間には、書画の掛け軸を掛け、花を飾るのみです。

 しかし、正しく家の祀りがなされているならば、この床の間が、その
家自身のみたま、つまり、家舟(やふね)の神を祭る神座(かみくら)
になるのです。
 神棚がある訳でもない、仏壇があるわけでもない。
 ただ季節の花を飾るのみという床の間が、真実、その家自身のみたま
(家舟の神)の活在の場となるのです。

 正面に礼といい、床の間といい、日本人のアップダウン意識は、ショ
ートカット的に明確に神を意識する西洋人から見れば、まことに曖昧な
ものと見えるでしょう。

 その曖昧なるアップダウン意識こそが、日本人の取り柄なのです。

2.編集余録

● 床の間に宿る家のミタマ「家船(やふね)の神」については、私の
ミニ講演の音声データをお聞き下さい。
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 それを使ってメール会員ページへはいって戴くと、音声データが無料
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● ありがとう日本アップダウン構造』が次の雑誌で取り上げられました。

 * 『アネモネ』新年号
 * 月刊『波動』2月号(水の結晶写真で有名な江本勝氏の雑誌です)

 徐々にではありますがアップダウン構造が人々に迎えられて行くよう
です。
 

 トランスペースの本(書店ではお求めになれません)

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■『ありがとう日本アップダウン構造』 昌原容成・著 ■
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 読者感想
 途中までしか読んでおりませんが、既に序文で涙がこぼれました。
  このような素晴らしい御本が世に出ている事をとても有り難く思います。
 (福島県、加藤敦子さん) 

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★ 昌原(あけはら) 容成 (ようせい) ★    ページ先頭     読者数 844  
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